期間　２０１０年１月１日　〜　

福井県西部の大飯郡高浜町には以前に紹介した三畳紀の『難波江層群』とは別に、 新生代第三紀中新世（約1600万年前）に熱帯気候の中で堆積した「内浦層群」という 地層があります。過去に大量のビカリアなどを 産出したことで有名です。



2007年から2008年にかけて、高浜町小黒飯（おぐるい）で、大規模な 道路工事がおこなわれました。現在では化石を採集 することはできません。ここで出た大量の石は土石置き場に一時的に積み上げられ、 沢山の化石愛好家たちが夢中になって採集に通いました。この残土からは オウムガイ（Aturia）や巨大なタマガイ（Cernina）などが大量に産出しました。 特に希少なオウムガイが大量に産出したことは特筆すべきことです。

遅ればせながら私も何度も現地に通いました。一部のブログ／ＨＰでは 素晴らしい採集品が次々と報告され、焦るばかりです。一日中雨の中で採集したこともあります。 そんな日でも１０人を超える愛好家が群がり、採集競争は熾烈なものでした。 しかし、そのお陰で多くの研究者・愛好家と顔見知りになれ、楽しく過ごすことができました。 この高浜フィーバーは近県の化石愛好家の中で語り継がれることになるでしょう。

小黒飯の化石
（内浦層群下層）